Yukie Horisawa, 堀澤幸恵 – Armengol: Danzas Cubanas (2016) [FLAC 24bit, 192 kHz]

Yukie Horisawa, 堀澤幸恵 – Armengol: Danzas Cubanas (2016) [FLAC 24bit, 192 kHz]

ピアニスト堀澤幸恵によるこのアルバムは、これまで日本では馴染みが薄かったラテンアメリカのクラシカルなピアノ・レパートリーの一端を、本格的かつ効果的なかたちでご紹介する、価値高いものである。
作曲者のマリオ・ルイス・アルメンゴール(1914~2002)は20世紀メキシコの優れた作曲家で、若い頃からポピュラーな歌曲により名を知られた。
その後、同国人の大家ホセ・ロロンや、スペイン市民戦争の後、亡命のかたちでメキシコに住むようになった高名な作曲家ロドルフォ・ハルフテルに就いて学び、より高度な楽曲を手がけるようになる。
ピアノのための(全19曲 )は彼の代表作のひとつで、いわゆる”ハバネラ風”のラテン的リズムを持つ「ダンサ・クバーナ(キューバ舞曲 )」のスタイルのうちに、さまざまな喜怒哀楽の表情を浮彫りにしてみせた、魅力たっぷりの小品集となっている。
類似のポピュラーな楽曲に比べて近代的な和声の扱いも興味深く、固有の芸術性にも欠けていない。堀澤幸恵の演奏もよく作品それぞれのニュアンスをつかんだもので、個々のタイトル(題名 )と併せて聴くとき、夢の広がる楽しさがある。